ワークショップに参加した話と雑感

はじめに

つい先日,仕事の関係で研究者のワークショップに参加しておりました.国内外の研究者が集まって,ある1つのテーマについて数日間をかけてさまざまな角度から議論を行い,そのテーマについて深掘りをしていくものです.また,コーヒーブレイクの時間にさまざまな議論を行い,今後の共同研究の可能性を探ったり,ネットワークを作ったりするものです.

こういったワークショップに参加するのは別に初めてでもなんでもないのですが,今回は国内外の研究者が集まって行うワークショップにおいて,初めて(自分が納得できるレベルで)議論に参加したり交流をしたりすることができたように思うので,その感動を忘れないうちに書いておこうと思った次第です.

なので,身のある内容は全くない完全な自己満足ポエムです.一般公開する日記のようなものというか,これまでのワークショップ参加時に何を考えていたかとか,そういった話を忘れないように書き留めて行うと思います.この気持ちが新鮮なうちの方が,ワークショップでうまくいかずに落ち込んだ気持ちとかの初心を忘れずにいれる気がするので.

また,自分がワークショップにうまく参加できなかった時のことも書いているので,その辺りの話が,これからワークショップに初めて初めて参加するという大学生の励みというか勇気づける何かになればいいなと思っています.

なお内容は完全な個人の感想で,所属する組織とかは一切関係ありません.あと,なんとなくぼやかして内容は書いております.

ワークショップとは?

研究分野にもよると思うのですが,私が所属する研究のコミュニティでは頻繁に行われているものです.会議の併設ワークショップなどの場合は,論文の発表があったりするなどもありますが,私が今回参加したのは,あくまでも特定のトピックについて様々な角度から議論するものでした.そのため,論文やスライドを準備して持っていく必要はないものでした.具体的なスケジュールとしては

  1. そのテーマのある部分(例えば,そのテーマが抱えている問題Aについての解決策)について少人数のグループで議論
  2. 議論した内容をまとめる
  3. まとめた内容をもとにそれぞれのグループで発表を行い,その内容をもとに全体で議論を行う
  4. コーヒーブレイク.休憩時間だが,グループや全体など堅苦しい雰囲気ではない場で,もう少し軽く議論を行う
  5. 以上を繰り返す

というイメージです.大学の講義のグループワークとかが近いのかもしれません.数日間これだけを何回も行うという点では違いがあります.

ちなみに,もちろん研究者が運営を行います.今回も主催をしてくださった方々には大変感謝をしております.

これまでのワークショップ

指導教員の先生のご厚意もあり,学部4年生の頃からこういったワークショップに参加をしておりました.ただ,以前に書いた通り,英語の問題もあり,これまでのワークショップでは,なかなかうまく議論に参加をできず悔しい思いをすることが多かったです.具体的には

  • 少人数グループに分かれた際に何をしゃべっているのか(議論の内容ではなく英語の聞き取り的な側面)を理解するのに必死になり,肝心の議論内容が頭に入ってこない
  • 議論内容が入ってこないから議論に入っていくことができない,まとめの作成もできない
  • なんとなくわかったところについても,自分の知識不足,本当に理解できているのかの不安,そもそも英語で文章を聞き取りながら自分の話す内容を組み立てらられない
  • 全体の議論でも同様の問題が発生
  • 発表者になるなんてとんでもない
  • コーヒーブレイクでは(一対一なので多少はマシだが)やはり議論の内容を含めた話に入っていけない

といった問題がありました.もちろん,最近は多少マシになっていて,上の全ての問題が発生したわけではありませんが,少なくとも学部生での初参加の際には上の問題は全て発生している状態でした.また学部生の頃は,そもそも研究分野の内容自体を理解しておらず,英語+内容を理解していないという状態だったので,今にして思うと議論にうまく入っていくのは厳しかったのかもしれません.実際,参加者は概ね博士課程学生以上というのが多いイメージがあります.ここで颯爽と議論の輪に加われたらかなりカッコよかったのですが,現実はなかなかに厳しいものです...

この頃は参加するたびに「今回のワークショップこそは,全体の議論にうまく寄与したい...!」という決意を持ちつつも,毎回あまりうまくいかずに歯がゆい思いをすることが多かったです.そのため,自分の能力不足をこれまでは感じていました.

今回はどうだったのか?

今回は自分の中ではある程度満足がいく程度には全体の議論に入って貢献できたような気がしています(もちろん,他の人から見たらまだまだだったかもしれませんが...).具体的には

  • 少人数グループにおいて,議論の方向性を決めたり,議論そのものに入ったり,まとめ方について議論したり,内容を議事録に書き起こしてまとめるなどを行う
  • 全体向けの発表を行い,質疑応答等を行う
  • コーヒーブレイクでも議論を行い,今後の共同研究の話などに発展させる

あたりができたためです.また,最後の部分などは,これまではかなり難しくワークショップ内での一時的な関係になりがちだった部分であり,個人的には成長を感じた部分でした.ワークショップの大きな目的のひとつであるため,そこに貢献できたというのはよかったです.

今回これらができたことの原因は色々と考えられると思います.あえて2つあげるとしたら以下が大きかったように思えています

  • 研究を続けてきたため,ある程度分野の知識がついた
  • 英語力が多少はついたため,議論に自信を持って入っていけるようになった

ワークショップの議論に入っていくというのは,自分の場合はかなり勇気が入ります.特に,「本当にこの内容を話しているのであろうか?」だとか,「自分の喋ろうとしている内容はまとを外していないだろうか?」というような不安がこれまではよぎっていました.ただ,今回は上にあげた2つの点が多少は改善したことから,ある程度自信を持って議論に入っていくことができました.精神論を殊更に持ち上げるつもりはありませんが,ある程度自信を持てたことが,今回自分が満足いく形で議論に参加できた要因のような気がしています.

なお,あくまで主観なので,まだまだ修練をしていきたいと思っております.

今回足りないと感じたこと

ただ,そうは言っても,まだ自分としては満足していない部分はありました.あげていくと

  • 少人数グループ・全体グループにおいて,全体に対して資するようなコメントを適切に何度も行う能力
  • 書記をしたりまとめたりする際に,議論内容を短く適切にまとめる力
  • 英語力

あたりがまだまだ足りていないです.最初の2つはもっと論文を読んで,自分の知見を増やしたり,それをまとめる修練を積んでいく必要があります.これらに関してはそもそも日本におけるワークショップ等に参加しても,同様の問題が出てくるため,研究者としての能力不足からきていると思っています.最後のやつは地道に頑張っていくしかないでしょう.

まとめ

ワークショップに参加し議論をすることで,研究におけるさまざまな知見を得られたり,新たな共同研究が生まれたりします.その点で,今後もたくさん参加をしていきたいと思っています.今回はその中の一つの節目のような気がしています.もちろんまだまだですが,今後も精進していきたいです.